憧れ

SHIN JAEYOUN

「あなたの理想はあなた自身が決めたものであるか。」

黄金は古代から富や権力、成功といった理想的な目標の象徴として存在してきたものである。現代社会における理想的な目標は物質的なものだけでなく、職業、外見、財産など、さまざまな形態を取るようになっている。人間は自分自身が決めた目標ではなく、社会が決めた理想的な目標を達成するために、それを追い求め、時には自分を破壊することさえある。

この作品『憧れ (The Fragility of Ideals)』は、社会が作り上げた理想を目標にして終わりなき努力を重ね、自己と環境を破壊する人間の姿を振り返ることをテーマとしている。作品の背景としてモチーフとなったイタリアのカッラーラ大理石採掘場は、人々の必要によって人間の労働と犠牲が伴った場所である。社会的な理想に対する欲望がこのように高価な犠牲を求めるとき、私たちが追い求めている目標の本質的な価値とは何であるか。

あなた自身が決める理想は、社会的な理想よりも価値のないものであるのか。