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魂顕 − 生命の園
大村 明日香
すべての生命には魂が宿り、それは赤子の顔として表れる。
その魂の質は、人間が定めた価値の序列に影響されることはない。
人間が作り上げた文明は、生命の営みの前では脆く儚い。
それは、生命の力強さと、人間の傲慢さへの無言の批判である。
この作品は、目に見えない魂のエネルギーを、赤子の顔という形で可視化する試みである。
血管のように張り巡らされた生命の繋がりの中で、全ての存在が等しく、かけがえのないものとして存在している。
人間の物差しでは測れない価値に満ちた世界。 私はあくまで、ヒト科に属するひとつの生命体である。 それらを知った時、私たちは初めて、真の生命の姿を理解することができるのではないだろうか。
<優秀賞>
人間中心主義から脱却できないまま、人類は地球環境の存続をかけて今日も議論を続けている。「私はあくまで、人間科に属するひとつの生命体である」と自称する作者は、その透徹したまなざしで、全生命のエネルギーと声なき声を感受する。それを”スピってる”と嘲笑う者は、単なる勉強不足か感受性が枯れているかのどちらかでしょう。西洋の科学者たちがいま真剣に取り組んでいる霊性の存在とその力を、東洋・日本で育った作者は「赤子の顔」として可視化を試みる。赤子と大自然はともに無垢で、時に暴力的です。この世界が孕む危うくも美しい二面性を、過剰な表現を持って見事に描き出すとともに、わたしたちに向かって警告を発しています。
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