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私の愛する子孫と、あなたへ

白井寛英

 自分が何を作るべきなのか悩み、そもそも何かを生み出すことに意味はあるのかと考えると、そんな意味は存在しないことに気がついた。

 作ったところでそれが世界のためになるとは限らないし、世界のためになったとして、だからなんなの?っていう。

 アートは、そんな虚無的な考え方を、根底から覆す存在だった。

 意味はなくても別にいい、ただの自己満足の世界。

 何だよそれって思ったけど、じゃあ何で俺は虚無と思ってまで、やっぱりまだ少しでも何かを作りたいと心のどこかで思っていたんだと考えたら、それは結局、自己満足に他ならなかった。

 ものを作り消費されるサイクル、ひたすら何かを作り続けることで成り立つこの世界が、自分にとっては心地よくて、大好きなんだと気づいた。

 だから俺は、この世界に自分の作品を残し続けたい。そう思っていることこそが、作品を生み出す意味なんだと思う。

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