衝動/執着/真実をめぐる内省と対話
あなたが「つくる人」なら、創作を始めた初期衝動があったはずです。意志や理屈を超えてやってしまうほど強かったはずのそれは、大人になるにつれ、無自覚に蓋をされてしまっていたり、今では形を変えていたりします。深層心理学/ホリスティック臨床教育学/イノベーション理論等を応用した体験型プログラムを通じて、内省と対話を繰り返しながら、創作へと向かう後期衝動を探ります。
01
心理的安全性
組織論で重視される心理的安全性の起源は、幼児教育です。無償の愛を注がれた赤ん坊は「自分は価値のある存在」と認め、家庭の外での失敗を恐れなくなり、多くの学びを手に入れます。ゼミも一緒です。他者を否定せず、尊重し合う場を足がかりにしながら、深い内省と対話を行っていきます。
02
beingでつながる
心理学者のラバーテが提唱した、3つの層。havingやdoingといった表層面ではなく、その人の在り方=beingに触れるべく、生い立ちから浮かび上がる価値観や衝動について対話します。
03
我汝をめぐる対話
宗教哲学者のブーバーは、人々が対話と呼んでいるものの多くは「相手と出会えておらず、モノローグの応酬になっている」と一刀両断しました。相手固有の世界に飛び降り、感受するナラティブな臨床心理的対話を通して、デューイの衝動概念やユングの影概念に接近していきます。
04
衝動/執着/真実を探る体験授業
衝動、執着、真実。詳細は授業でお伝えしますが、いずれも、思考優位なワークでは本質が見えません。バラを分解する、100均で最も価値を感じたものを買う、あなたの中の種を粘土でつくる…様々な体験授業を通じて探ります。(画像は、いらないモノを捨ててくる「遺影と弔辞」体験授業より)
05
あなたのマスターピース
理想とする表現や企画から、自らが秘める執着や真実が浮き彫りになることもあります。あなたに初期衝動を与えた作品を持ち寄り、作風ではなくその読後感の解像度を上げることで、創作の側面から衝動やつくりたいものの方向性を探ります。
代表的な参考文献:
Peter Senge, C.Otto Schaemer, Joseph Jaworski, 野中郁次郎『出現する未来』2006
William Bridges『トランジション 』2014
マルティン・ブーバー『我と汝』2021
吉田敦彦『ブーバー対話論とホリスティック教育―他者・呼びかけ・応答』2007
河合隼雄『影の現象学』1987
ジョン・デューイ『経験と教育』2004
森岡正芳『うつし 臨床の詩学』2005
John L. Walter, Jane E. Peller『ブリーフセラピーの再創造―願いを語る個人コンサルテーション』2005