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固有の表現をめぐる制作と展示

表現とは「表す」と「現れる」という2つの言葉から成り立ちます。こんなものをつくればきっと話題になるだろう、といった作意に満ちた「表す」だけのものは“企画”と呼ばれるべきかもしれません。まず先に「現れる」があり、それは中動態/受動態の態度の中で本来感知されるものです。あなたを創作へと向かわせる衝動や執着、真実を足がかりとして、それらの「現れた」ものを、いかに「表す」ことができるか。さまざまな制作活動を通して世の中に生み出し、外部からのフィードバックを受けることで、その精度を極限まで高めていきます。

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表現手法は問いません

手法はあなたの中で扱いたいものを表すための手段である以上、その方法は一切問いません。過去に卒業生はインスタレーション、VR、小説、漫画、ボードゲーム、ファッション、レシピ本などを制作しています。担当教員との対話を通して、作品の存在意義を問い、アウトプットの質を高めていきます。

展示会めぐり

人は全くのゼロから何かを生み出すことはできません。何をつくるかは、何をインプットできたか。美大の卒展や話題の企画展をはじめ、様々なアート作品や企画に触れながら、ジャンルに囚われない幅広いクリエイティビティと、そこで展開される固有な世界を味わいます。

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最小単位の外在化ワーク

​急に何かをつくれと言われても、手が止まってしまうことがほとんど。一方で、いいものをつくる人は手を動かすのが早い。書くこと、物語ること、小さな作品をつくること。自分の内にあるものを「外在化」することで、違和感としっくり具合の精度を高めていきます。

プロトタイプ展

3年生の終盤、学外のギャラリーを借りてプロトタイプ展を実施します。自らにとって大切な衝動や執着、真実を「一度作品にしてみる」ことで、自分のやりたいことに対する確信や反省、違和感を育んで、卒業制作の糧にしていきます。

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卒業制作展

衝動/執着/真実といった、その人にとってかけがえのない大切を表現として昇華させる卒業制作展示を行います。表現を見る者に、自分の中でしか存在できなかった何かを流し込み、その大切を分かち合うことを目指します。また、ゼミで身につけた構えと自習力、表現力を活かしながら、卒業後もつながるコミュニティを目指します。

​代表的な参考文献:

中島岳志『思いがけず利他』2021

伊藤亜紗, 中島岳志, 若松英輔, 國分功一郎, 磯崎憲一郎『利他とは何か』2021

影山知明『ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~』2015

鶴見俊輔『限界芸術論』1999

森田亜紀『芸術の中動態: 受容/制作の基層』2013

安冨歩『複雑さを生きる―やわらかな制御』2006

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